アクリフーズ冷凍食品への農薬混入とISO22000認証について

アクリフーズの冷凍食品の一部が農薬混入されていることが判明しアクリフーズは自主回収を行っています自主回収の案内
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また報道によると1,400名以上が体調不良を訴えているようです。このような状況を踏まえ、アクリフーズは今回の事件に関して、マルハニチロホールディングスとして真摯に受止め、公明・誠実な対応に努めることを発表しております。警察や保健所をはじめとして関係当局への協力についてもいまのところできる限りの対応をされているように思えます。
今後、農薬混入事件は解明されていくと思いますが、なぜこのような事件が発生したのでしょうか。防ぐことはできなかったのでしょうか。アクリフーズはマルハニチロホールディンググループの冷凍食品製造会社です。沿革は昭和47年雪印乳業の冷凍事業食品事業として事業開始。平成15年ニチロの連結決算子会社。平成20年4月マルハニチロ食品の連結子会社。食の安全が必須条件のご時世、大企業のグループ会社の一員として、管理の程度は分かりませんが食品安全の対応はされていたと想定されます。またアクリフーズのホームページによると平成21年にISO22000の認証を取得されています。ISO22000とはISOの食品安全マネジメントシステムの規格です。この規格には「緊急事態対応」「トレーサビリティシステム」「回収」「HACCP」等のシステムを包含していますが、今回の事件を防ぐことはできなかったようです(一概にISO22000の認証をとっている会社が不祥事を起こしたと非難されるという単純なことではないと思います)。マルハニチログループの安全・安心の取組
食品安全の認証取得等の支援を行っている弊社にとっては、ISO220000の認証を取得されている組織のこのような不祥事は残念に思います。しかしこのようなフードテロ的な行為については「狙われたら防ぐことが難しい」のが実態です。例えば物理的な異物混入(例えば金属片)を防ぐ方法としては金属探知があります。しかし農薬混入がされていても当然検知しません。出荷前の最終検査で農薬混入有無を検査するのは大変難しいでしょう(または費用対効果として現実的でない)。そのような事実のなかでどうすればこのような不祥事をなくすことができるのでしょうか。正直パーフェクトな対策は思い当たりません。ただ言えるのは、まずは従業員及び関係者への食品安全教育からはじめていくしかないと思います。特にリスク教育や事故事例教育を行うことで食品安全のリスクについての意識を向上させるしかありません。地道な食品安全教育を継続的に実施していくことが食品安全の予防につながると考えます。

弊社はISO22000、FSSC22000等の食品安全マネジメントシステムの構築及び運用支援を行っています。また従業員等への食品安全意識向上教育も行っています。お気軽にお問い合わせください。

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