JR北海道の脱線事故と会社風土

今月19日、JR函館線で脱線事故が発生しました。22日、JR北海道 野島誠社長は記者会見で、「事故が起きるまで、現場付近のレールを補修せずに放置。更にレールの幅や高低差などを補修せずに北海道内で97か所に放置していた」ことを謝罪しました。JR北海度は2012年以降、列車の運行に支障が出る事故が頻発しています。2013年7月だけでも、特急「北斗」のディーゼルエンジンが破損・出火しながら走行、14日に快速電車「いしかりライナー」の異臭事故、15日に特急「スーパーおおぞら」の配電盤から出火、22日に特急「スーパーとかち」のエンジンから白煙・・・。

JR北海道はなぜこのような事故を繰り返し発生させてしまっているでしょうか。JR北海道は当然ながら社会の重要インフラです。安全・安心を担保しなくてはなりません。事故発生の都度、対策を行っているはずです。また監督官庁の国土交通省から業務改善命令がでており、組織として抜本的改善を行っているはずです。いままでの対策は、その場しのぎの対策にすぎなかったのでしょうか。各事故に関する対策について、詳細を確認していないので確実なことはいえません。ただし、ここまで事故が頻発している事実から推測するに、会社風土が真の原因ではないでしょうか。今月19日の脱線事故で明るみになった「レールの幅や高低差などを補修せずに北海道内で97か所に放置」という事実。JR北海道の社員・関係者は「安全・安心」についてどのような意識を持っているのでしょうか。全ての関係者ではありませんが、組織として補修を放置している事実は、会社風土に何らかの異常が発生しているのではないでしょうか。

会社風土を見直し、本来のあるべき姿に変革していくこと。この変革は簡単ではありません。そして、組織として変革するという決断がないとできません。経営者の刷新も必要かもしれません。会社の経営ビジョンの変更も重要かもしれません。お客様のニーズの再定義、従業員の意識の洗出し等も必要かもしれません。JR北海道は当然のことながら大変重要な交通機関です。利用者は選択の余地なく利用しなくてはならないことがあるのです。是非とも、JR北海道が早急に「安心・安全を担保する会社風土を醸成」することに期待します。

BTCJ社は会社風土の変革を推進する経営品質向上支援を行っています。お気軽にお問い合わせください。

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